現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、展示会やイベントの中止が相次ぎ、
施設やお店もしばらくの間、臨時休業の判断をされているところもある状況です。
鳥取の作り手さんを少しずつご紹介させていただきたいと思います。
本日ご紹介させていただくのは、
鳥取県境港市で弓浜絣を制作しておられる工房ゆみはまさんです。
鳥取県西部の弓ヶ浜半島では、その砂地を利用し、江戸時代より綿花が栽培されてきました。
弾力性に富み保温性に優れた良質の綿は、伯州綿(はくしゅうめん)と呼ばれ、
全国に知られていきました。
その伯州綿を用いて地元の農家の女性たちは、家族の幸せや健康を願い木綿の絣を織ってきました。
この弓浜絣は、素朴な風合い、藍と白のコントラストで生み出される美しい絵絣が特徴です。
江戸末期から明治の中頃にかけては最盛期を迎え、倉吉絣(倉吉市)、広瀬絣(島根県安来市)とともに
山陰の三絣の一つとして人気を博しましたが、工業化や後継者不足など時代の流れとともに
風前の灯となっていきました。
弓浜絣の復興に尽力された嶋田悦子さんは、約50年前に夫の太平さんとともに
工房ゆみはまを立ち上げられました。
現在は、代表の田中博文さんを中心に、
手絞りにて天然藍で染め、高織で織る伝統のお仕事を継承されています。
弓浜絣が織り上げられるまでには、気が遠くなりそうなほど、本当にたくさんの工程があります。
そのひとつひとつを丁寧に根気強く重ねられて、布となります。
いつもやさしく弓浜絣についてお話してくださる「工房ゆみはま」代表の田中さん
(「第10回鳥取の伝統工芸士展」の際の写真)
帯や着尺など
テーブルセンターいろいろ
がまぐち、コースターなど
ブックカバー、栞、名刺入れ など。
おうちで過ごされる時間、弓浜絣のコースターを敷いて、お茶や珈琲を楽しまれたり、
ブックカバーや栞を使って読書に親しむ…、というのも素敵だと思います。
かつて家族の幸せや健康を願い織られた美しい絵柄の弓浜絣。その伝統は、多くの人達の思い、手に
よって受け継がれてきました。
弓浜絣に触れていると、そのあたたかく優しい手ざわりに、心も柔らかくなるように思います。
工房ゆみはま:とっとりの手仕事HP 鳥取県HP(嶋田悦子さんご紹介ページ)
オンラインショップ:永見呉服店
※永見呉服店さんでは弓浜絣のさまざまな工房の作品を広く扱っておられます。